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今月のコラムです2007年6月のコラム

テーマは・・・

「最近のインプラントって??」です。

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こんにちは、岸川です。
慰安旅行から帰ってきた4日月曜日、診療終わって、自宅で6月のコラム書こうと思ったら、睡魔が・・・

このご時勢ですから、当院の慰安旅行は、診療を休むこと無く、往き金曜夜中便・帰り月曜早朝便の強行軍が敬遠され、参加者は15人、ドクター達は2日とも苦行とも言える炎天下ゴルフに付き合わされヘロヘロ。そんな中、写真はグアム・マンギラオC・Cで同一チーム同一ロングホール2人ともバーディーの快挙で満面の笑み、李先生と。


参加スタッフ


バーディ!

次の日、今日こそコラム書こう、と思ったら、自宅パソコンのWindowsが立ち上がらない、深夜まで対応しているプロバイダーに電話したが、予想通り解決できず。次の日、水曜日の診療後、メーカーの営業時間内に、電話でパソコン本体のチェックをしてもらったら、“ハードに異常有りません、Windows(ソフト)が破損しています、付属のリカバリーディスクで初期化するしかありません” “それって、データ全部消えるんですよね?” “そうです” “データ消えるのは困るので、救出して貰えませんか?” “出来ません”。 次にパソコン買った量販店、その修理店に電話しても、“データ救出やって貰えますか?” “やっておりません、出来ません”と言われ、さらにその次の日、木曜日、診療の合間に診療所のパソコンで、“パソコンデータ救出 堺市”で業者さんを検索し、無理言って都合つけていただき、なんとか金曜日、2時間半かけて無事救出していただきました。感謝、感謝、ありがとうございました。請求は2万円也でした。パソコンのマメなバックアップの必要性・使えない不便さを痛感させられた5日間でした。

 9(土)10(日)には、インプラント学会(滋賀県大津市)に大阪のメンバーと出席してきました。
 ということで、学会に便乗して、今月のコラムは“最近のインプラントって??”です。

 初日・土曜日の専門医教育講座での朝日大学歯学部・永原教授の“最も新しい骨造成(増生)に関する文献的総説”では、骨造成に関する玉石混合の何百、何千の世界中の2000年以降の論文を分析し、骨の無い症例への、現時点での、安全で有用な手技が明確に紹介され、学術と臨床には常にギャップは付き物であるが、現在当院で行っているインプラント治療の評価が出来、また今後新しい見地を見出すヒントも得られ、かなり有意義な時間となりました。

 二日目の一般口演では、学会認定医の更新条件をクリアする為、何人かの懇意にしている先生・顔見知りの先生が、それぞれ持ち時間10分(7分間症例発表・3分間質疑・応答)という枠の中で奮闘されていました。ご苦労様でした。内容的には、骨の無いところに、患者さん自身の他部位の骨を採ってきて、インプラントを植えられるようにした症例が多数見受けられました。要するに初日の総説の臨床症例発表の様相です。現代科学をもってしても、まだまだ歯医者は骨の無い症例に悩まされ続けており、それを克服するのに、心血注いでいる現実がそこにはあります。

 以下、骨造成に関しまして、当院の先月の症例写真で解説致しますと、写真Aが術前です。骨がボコンと無いですから(矢印部分)このままサイナスリフト(このケースはソケットリフトでいきました)だけでインプラントをすると、上顎洞に突き抜けて蓄膿になる、ことは免れますが、長ーい歯が入ることになり、歯冠歯根長比のバランスが悪くインプラントが長期には持たないことが容易に予想できます。ですから、ボコンと骨が無い部分に骨を造ってインプラントすることで、歯冠長を少しでも短くする必要があるわけです。


術前

拡大

 

 そこには、海外では乾燥凍結骨といって人間の死体から採取した骨や牛の骨が積極的に用いられておりますが、日本国内では厚労省の許可が下りないので使用できません。従って日本では、患者さん自身の他部位の骨を採ってきて、ボコンと凹んだところに満たす方法をとるわけです。これは自家骨移植といって、一番いい方法ではありますが、術後の腫れに関しましては、骨をあっちからこっちにするので避けては通れないところが難です。たくさん骨が採れない場合は人工アパタイトやβ―TCPを混ぜますし、条件さえ合えば骨片ブロックのまま貼り付ける(オンレーグラフト)こともあります(このケースは自家骨8割にβ-TCP2割をあえて混ぜておりました、永原教授の口演でも、自家骨単身より、混合の方が明らかに有利なデータが提示されておりました。)

 写真Bが術後です。反対側の奥歯2本もレントゲン的には寿命なのですが、「硬いもの以外は噛めている」ということで、「自然に抜け落ちるまで様子見ましょう」という状態です。このまま置けば置くだけさらに骨が無くなることは、患者さんも説明を受けて解ってはいるのですが・・。抜歯時期の判断の難しいところです。


術後


拡大

 最近は、歯医者側も患者さん側も自然に抜ける寸前まで抜歯をしない・させない風潮ですから、インプラントをする段には歯茎が大きく失われている・いわゆる難症例が増加傾向にあるように思います。ちなみに、当院では、先月ゴールデンウイーク明け以降、サイナスリフト(ソケットリフトは除く)絡み3例、自家骨・人工骨併用の骨造成は5例を数えました。今月も、難症例の方がたくさん来られますよう、スタッフ共々たのしみにしております。

ではまた来月。

 

岸川歯科 院長 岸川 裕

 


 

 

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