◆インプラントの価格はいくらが適正か
1:インプラントの現状
日本ではインプラント治療は現在健康保険の対象外です。したがってインプラントは、自費診療によって行われていますから、各歯科医院で独自の価格設定で行われています。殆どの歯科医院は、零細な個人経営で行われていますから保険適用の治療費などと違って、インプラント治療を行っている歯科医院の数だけさまざまな価格設定があると考えていいわけです。最近の全国的な状況としては、1本のインプラント植立にかかる費用が50万円を超える所から十数万円程度までの所と 、異常なまでに大きなばらつきがあるのが現状です。
インプラントは手術で埋入されるインプラント体(フィクスチャー)の他に、キャップやアバットメントと呼ばれるさまざまな交換される部品があり、費用を考えるときは、トータルでいくらかという事が問題になります。それぞれの医院によってどこまでの費用なのか、設定がまちまちですのでよく確認する必要があります。また、家を建てるのに柱の値段だけを聞いても意味がないように、全体的な治療方針をよく確認したうえで費用の事を考える必要があります。
インプラントを植立しても口腔全体の機能が回復され満足する結果が得られなければ、費用は意味のないものになってしまいます。インプラントの費用だけでなく、その他の補綴処置などに必要な費用もよく確かめた上で治療を進めることが最善です。複数の治療方針を選択できる場合は、それぞれの方法のメリット、デメリットをよく確認して、かかる費用と得られる結果を十分に考慮する必要があります。
また、医療は物品を売買しているわけではありませんから、経験や技術の熟練さが正当に評価されなければなりません。何百本、何千本というインプラント植立経験のある歯科医師と、インプラント治療を始めたばかりの歯科医師では、経験で得られた知識と技術の蓄積は雲泥の差がありますから、その価値を正当に評価せず物品を買うような感覚でとらえてしまうことは大変危険な事です。単に価格だけで判断してしまえば、安かろう悪かろうといった治療が良質の技術を駆逐してしまい、本来患者さんが授受するべき質の高い医療を荒廃させてしまうからです。
とくにインプラントの場合、1本1本の植立すべき顎骨の状況、咬み合せの良し悪し、残存歯の歯槽骨の状態、全体的な治療方針の判断、すべてを十分に考慮し的確に判断できる能力を要求されるものです。その能力があってはじめて1本のインプラントが生きる、という事を忘れてはいけないと思います。
参考のため、当院のインプラント費用(税別)を示します。当院は、豊富な症例数と高度な治療技術により、患者さんの医 療費削減に大きく寄与していく事を大義としております。従いまして、インプラント体(フィクスチャー)1本あたり15万円程度から治療を受けることが可能です。アバットメント(支台または接合部)は5万円から、上部補綴物(かぶせ物)は8〜15万円(銀〜ジルコニアステイニング・ジルコニアレイヤリング)、サージカルガイド・静脈内鎮静法(リラックス麻酔)・増骨等必要な場合は別途費用(5〜20万円)が掛かります。
2023年現在、上部補綴物に関しては、ジルコニアのスクリューリテイン(ネジ止め)を第一選択とさせていただいております。
奥歯1歯欠損でインプラント1本、上部構造にジルコニアステイニング(12.5万円。欠けない人工ダイヤ素材。欠けやすい従来のガラスセラミックとは異なる)をスクリューリテイン(ネジ止め。かぶせ物が不意に外れたり、外したい時に切断しないと外せない従来のセメント固定とは異なる。技工技術的に高度。技工コストは高価。)したもので32.5万円です。
前歯部には審美性をより追求したジルコニアレイヤリング(15万円。ジルコニアフレームにガラスセラミックを築盛したもの)を推奨しております。
審美性やインプラントの寿命を向上させるために、歯肉や歯槽骨を再生・造成させる治療(5〜20万円)の必要性に関しましては相談となります。
また当院では、外部保証会社を介すことなく、独自に10年保証(減価償却式、再治療に適用)、永久保証(10年以上は5%保証、再治療に適用)を築けて、エビデンスに基いた正義ある精度の高い治療を心がけております。
2:これから予想されるインプラントの価格
インプラントの価格は、各医院ネット上で広く開示され競争の中である程度の範囲内に収斂してきてはおりますが、まだまだ異常なまでに幅があるのが現状です。健康保険や他の業界の常識からすると、違和感を覚えるほどです。
他の業種と同様に大量のインプラント植立を行いコスト削減に励んだ医療機関が、治療技術だけでなく費用の面でも他社をリードし患者さんの医療費削減に大きく寄与していく事が、比較的容易に予想できるのではないでしょうか。
奥歯インプラント1本上部構造まで入れた費用は、日本全国大学附属病院28施設の平均が41万円とのことです。(2019年、日本口腔インプラント学会調べ)
2023年はウクライナ問題等による世界的なインフレの加速・円安により、海外製インプラント・材料・器材は元々高価にもかかわらず、さらに高騰しており、海外製インプラント使用をウリにしている歯科医院は値上げに動いている状況です。
当院のインプラントは20年以上メーカーと対話をし、改善に改善を重ねてきた日本製を主に使用しており、広告費も多くを費やすことなく口コミ紹介をモットーとしてコスト削減に励んでいるため、2023年もインプラントはお値段据え置き、患者さんの医療費削減に大いに寄与出来るのではないでしょうか。
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