こんにちは、岸川です
“セカンドオピニオンはどんなん??その2”
早速症例です。
○本 ○○さん 7○歳 男性
H21.2.19初診
「右上3番に歯を入れたい、インプラントは無理になったから、どうしたらいいのかな?その奥の3本のインプラント歯も動いている。」主訴で来院されました。(写真A)
右上3番は、他院で10日前に抜歯と同時にインプラントを埋入したが、最初からグラグラしており数日前に撤去したそうで、その歯医者で「ここ(右上3番)にはもうインプラントするのは無理」と云われ、費用を返金されたそうです。
他部位のインプラントも数年前にその歯医者でしたものだそうです。
写真で、右上奥3本のインプラント周囲の歯槽骨が過度に吸収しているのが確認出来ますし、他部位のインプラントも天然歯と連結され、早晩色々不都合が生じることが予想されます。
右上3番は2ヶ月待てばインプラントは可能ですし、その奥3本のインプラントも抜け落ちそうな位グラグラしているので、3本のインプラントを撤去増骨して右上3~7番で再インプラントするのが妥当です。
「右上奥3本のグラグラしているインプラントは、前医で何らかの保証がおありでしたら、そちらで再治療して頂くのが費用的にも安く済み妥当だと思いますが」とお話させて頂きましたが、前医では治療を続けたくない事情が色々あるのでしょう「今、経済がムリだから、今回は、右上の奥3本の(グラグラしている)インプラントはこのままで、右上3番に部分入れ歯を入れてもらいたい」ということになり、とりあえず1歯の入れ歯を作成させて頂きました、他部位のインプラントもメインテナンス(定期健診)で経過を追っていく事になりました。
○○ ○子さん 9○歳 女性
H21.3.5初診
訪問歯科の先生の紹介で「下の入れ歯がガタガタで痛む、その入れ歯を支えているインプラントを撤去して欲しい」主訴に、息子さんに付き添われて、当院来院されました。
写真B1,B2は初診時のレントゲンと口腔内写真で、写真B3は撤去した入れ歯とインプラント?です。
2本のご自身の歯と3本のインプラント?(と呼べるかどうかわかりませんが、自家製の杭・・・が確認できると思います・・・)に入れ歯がセメントで合着されておりました。
5年ほど前に、わざわざ九州の歯医者まで赴き、一回の通院でして貰ったそうです。
インプラントの材質・長さといい、入れ歯をそのインプラントと自身の歯にセメント合着する無謀さ(普通は入れ歯を毎食後取り外しして、食べかすを洗いたいでしょうに)といい、掃除することが出来なくて口臭も出たでしょうし、炎症起こして直ぐにも駄目になることは素人でもわかりそうなものでした。
インプラント撤去後は、患者さんが90歳を超える御高齢でもあり、総入れ歯で対応するのが一般的でしょうが、今回は、インプラント撤去に立ち会い、痩せた歯茎を確認された息子さんが、このまま総入れ歯を作成したところで、ガタついて不自由することを懸念され、大英断の息子さんと本人さんの強い御希望により、入れ歯がガタつかないようにすべくインプラントを4本埋入しドルダーバー義歯で対応させて頂きました。(写真B4)
これぐらいの寸法のインプラントが4本あれば、即時加重をしても予後は良く、入れ歯を安定させ続けることが出来ます。
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以上2例はいずれも、インプラントの再治療に際してのセカンドオピニオンで、当院を訪れる患者さんの傾向として・・・
前医で1度目のインプラント治療が上手くいってないために心の傷が深く、金銭的にも価値(大阪人的値打ち)を感じられず、2度とインプラントは御免で、保険の入れ歯なりそのまま放置という人が1/ 4。
前医で1度目のインプラント治療が上手くいってないためにインプラント治療自体に不信感を抱き、どこか納得いってないけど、他に良い方法が無いし、ということで時間をかけて自分なりに当院の信用・技量を見極めた上で、納得してから、再インプラントを希望する人が1/4。
前医で1度目のインプラント治療が上手くいってなくても、紹介や評判を聞きつけて来院し、こちらの説明を聞いて即座に再インプラントを希望する人が1/2。
といったところでしょうか。
再治療に際してより、初期治療に際してセカンドオピニオンを立てればもっと気も懐も楽で、何より安心安全ですし、メインテナンスにも集中出来て良いと思うのですが・・・・・・いかがでしょうか?・・・難しいことでしょうか?
今月も、セカンドオピニオンなり難症例なりたくさんお待ちしております。
では、また来月。
岸川歯科 院長 岸川 裕 |