こんにちは、岸川です。
今月は鳳診療所の患者さんの症例を取り上げてみたいと思います
”ご参考までに、2症例ほど 鳳診療所篇”です。
■1例目 ○内○○○さん6○歳女性
写真A1、A2、A3、A4は初診時の口腔内写真です。
上顎の総入れ歯と下顎の両奥部分入れ歯は2年前に他医院で作られたそうです。
義歯作成当初から御覧のような噛み合わせで、蕎麦はおろかうどんも噛み切れなかったそうで、この入れ歯に80万円を支払ったそうです。(なんとも・・気の毒な話です・・)
欠損部は全てインプラントして固定の歯にすることもできたのですが、“上顎は入れ歯で馴れており床を小さく(浅く)出来れば良い”ということでしたので、インプラント4本にドルダーバーという維持装置を取り付けそれに馬蹄形の(浅く小さい)入れ歯をもたせるように致しました。
うわあごの床部分がくり抜かれているので、えずきにくく温度感覚も良好になり喜んで頂きました。
※写真A5、A6(術前)→A7、A8(術後)
下顎の前歯6本は根管治療してからかぶせを新調し、両奥4本ずつはインプラントして即日に固定の歯をいれることで対応致しました。※写真A9(術前)→A10(術後)
術前
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術前 |
“なんでも食べられる”と喜んで頂きました。
患者さんの治療後コメント“贅沢いって申し訳ないのですが、今後上も下の歯のように固定の歯にして頂くことは可能でしょうか?”
インプラントのファンが1人増えて良かったです。 ※写真A11、A12(術前)→A13、A14(術後)
■2例目○口○○さん 6○歳男性
写真B1、B2、B3、B4は初診時の写真です。
代行運転の後部席に乗っていて交通事故に遭い、下の歯がグラグラ動きだし痛くて食事ができないということで紹介来院されました。
元々入っていた入れ歯は御覧の様に・・コメントのしようが無いものでした。
“下にインプラントしてしっかり噛めるようにしたい”ということでしたので、下顎はインプラント6本埋入して上部構造は固定の歯を12本入れ、上顎は金属床総入れ歯で対応致しました。
※写真B5、B6(術前)→B7、B8(術後)
患者さんの治療後コメント“何でもよく食べられて、イイ具合です!”
インプラントのファンがさらに1人増えて良かったです。
では、また来月
PS.
一昨年当院を勇退されたスーパーマネージャーの高橋さんが4月11日ご逝去されました。77歳でした。生前のご厚情を感謝し、謹んでお知らせ申し上げます。
生前より“葬式不要、戒名不要、死亡告知不要”といった本人の強い希望があった為、2ヶ月以上経ってから知ることになってしまいました。
学会に出席の為東京に向かう道中訃報を受け、その翌週急遽親族の方に御無理申しまして高橋さんの眠る愛媛県松山の墓にお参りさせて頂きました。
空港から車で1時間半程ののどかな田舎のお墓に案内していただき、親族の方たちとお墓の前で生前の高橋さんの話をさせていただきました。
こちらからは山上一郎先生時代の高橋さんの写真数点を親族の方に納めていただき、高橋さんの一番弟子・大東さん(旧姓齋藤さん)の結婚も墓前に報告させて頂くことができました。
昔から心臓と肝臓が悪いのを知っていましたが、1年半前結腸ガンの告知を受けられたらしいですがその後の治療を自ら積極的に受けなかったこと、ガンとわかってからのこの1年半親族の方達と方々旅行に行かれたこと、亡くなる3日前にはお花見にも行くことができたこと、人に迷惑をかけるのが嫌で死の直前まで医者が驚くほどよく食事を摂りトイレも点滴の棒を支えに自力で行っていたこと、葬式不要・戒名不要・位牌不要・死亡告知不要を親族に繰り返し指示していたこと・・等々、当院の秩序・良心の要として仕事して頂いていたころと同じ高橋トシエとして逝かれたのを姪御さん義妹さんと共に確認することができました。
高橋トシエとして見事な生き様を最期まで見せていただきました、私の育ての親高橋トシエ様本当にありがとうございました。あらためて心より御冥福をお祈り申し上げます。
岸川歯科 院長 岸川 裕 |