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今月のコラムです2006年11月のコラム

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「これからの日本の歯科医療」です。

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 こんにちは院長の岸川です。

 10月14(土)15(日)、4年に1度のワールドデンタルショー2006と第5回国際歯科大会がパシフィコ横浜で開催されていたので、お供を連れてのぞいてきました。

 デンタルショーでは、最新の歯科医療機器、材料、ソフトを国内外各社が出展していましたが、私の目当てのCTと予防のソフトは、まだまだ、購入意欲をかきたてる程の完成度のものはありませんでした。表面的な華やかさとはうらはらに、歯科医療保険制度が疲弊しきっているので業界・業者にいまひとつ元気がなく、最新機器の開発が思うように進んでないのが気がかりです。 その中でも、以前から目を付けていた、歯の漂白に使う “ビヨンド”(刺激を大幅に低減させたジェルタイプを11月より発売開始するということで、従来のパウダータイプは刺激のクレームが多くこれまで導入を見送っておりました)を、満を持して、発売よりひと足早く導入し、すでに何例かに使用しましたが、非常によい出来でホッとしております 。

 国際歯科大会は国内外の演者を招いての講演会で、確か同時に6会場での進行でした。
時代を反映してインプラント関連の演題が多く、内容はオーソドックスなものからサプライズなものまで盛り沢山で、どの会場も盛況で広い場内にもかかわらず立ち見も多数見受けられ、お休みの日にもかかわらず全国からこんなにたくさん、歯科医師は本当にみな勤勉だということを感じました。

 まえふりはこのへんで、今月のコラムは “これからの日本の歯科医療”です。

 まず、歯科医療の定義が治療から今よりさらに予防重視に変わると思います。従来からも欧米では年に数回は定期検診を受診し、患者さんが個人の責任で「歯の健康」を維持するのが当たり前です。ですから、例えば急に痛くなってもすぐに診てもらえない場合もあります。
“当院は完全予約制です、ただし急患は随時受け付けます”といった日本的発想ですとこんな不親切な話はなさそうですが、個人の管理責任が存在するのですから患者さんも待って文句が出ないのです。国民性の違いもありますが、確かに歯の場合は日々のブラッシングと検診でかなり健康を維持することができるからです。「虫歯のバイ菌」を薬でやっつけるのは難しいかもしれません。自然界に細菌は存在しているわけですし、ある意味ではバランスを保っているわけですから、それだけやっつけるとそのバランスがくずれてしまいます。やはり、歯ブラシでバイ菌が歯を溶かす前に掃除する方法が一番だと思います。ただ、フッ素でエナメル質を強くするように虫歯を予防するための環境を作る方法は進歩すると思います。

 治療においては、DNAの解明により再生治療が取り入れられるでしょう。現在、チタン製インプラント(人工歯根)を顎に植立しますが、歯根のクローンをつくりそれを顎にインプラントする時代がくるかもしれません。ただ、非常に高価な医療になることは間違いないと思います。

 かぶせる歯の技工も変わります。歯科技工士が作りますが、さらにコンピューターのCAD(3次元の読み取り)の進歩により白い歯をもっと安価に短時間で作れるようになると思います。
 あまり良くない話をすると、 安倍晋三首相著 “美しい国へ” の 第六章 “少子国家の未来” を読む限りでは 国の財政的な問題が原因で将来、歯の被せ物や入れ歯が、健康保険でできなくなるか、患者負担がさらに増えることが予想されます。

 最後に、今後、口腔内の疾患、特に咬み合わせと全身疾患の関係が今よりさらに解明され、歯科医療がより重要視されることでしょう。

先月は難症例が色々たくさんありました、次の機会に発表したいと思います。

 今月も、難症例色々たくさん楽しみにお待ちしております。

ではまた来月。

 

岸川歯科 院長 岸川 裕

 


 

 

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