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今月のコラムです2008年8月のコラム

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「歯科心身症って??」です。

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こんにちは、岸川です。

今月付けで、岡山大学の後輩・李裕史先生が此花区で開業するため退職致します。
鳥取県出身で、大学卒業後当院に就職し、今年7年目になります。
大学卒業当初は3男坊の甘えん坊でしたが、7年ですっかりたくましくなって、あえて競争の厳しい大阪の地で開業する運びとなりました、心より武運を祈ります、また6年半当院の運営にご尽力頂きましてありがとうございました、お疲れ様でした。
李先生担当の患者さんは、同じく岡山大学の後輩・楠目祐子先生が大半を引き継ぐことになります。

これまでたくさんの勤務の先生方と一緒に仕事をさせて頂きましたが、楠目先生の診断精度・治療精度は、ダントツピカイチ太鼓判、デキル先生です。たくさん無理を言って困らせてやって下さい。
インプラント治療途中の患者さんは、そのまま私が治療を進めます。
よろしくお願い致します。

では早速、今月のコラム“歯科心身症って??”です。

“夕方になると、歯が膨らんで豆腐のように柔らかく感じられ、食事を摂ると、その歯がとけて粒子がザラザラするのを舌で感じ、ひと晩経って朝になると元に戻っている、そしてまた夕方になると・・・。”

今年も、このような症状を訴えて来院された患者さんがいました。

もちろん、口の中を診せて頂いても、異常は何一つ認められません。

“歯科心身症”とか“口腔神経症”と呼ばれるもので、
歯医者に相談に行っても、口腔内に異常が認められないので、治療の仕様がないのですが、不幸にも、この病気を認識していない歯医者の元に、重ねて不幸にも、この病気を認識していない患者さんが訪れて、“膨らむ歯を削って欲しい、粒子がザラザラする歯を磨いて欲しい、かぶせて欲しい”と申し出て、患者さんの言うなりに歯医者が削っていたケースもありました。もちろん、削っても改善するはずもなく、逆に、削れば削るほど症状は悪化していったので転医してこられたわけですが、中には抜歯にまで到るケースも報告されています。

心療内科にかかっていて、朝晩と毎回20〜30錠の薬を飲んでいる患者さんなら、まずその薬による副作用などを疑うのですが、そうでない人もいます、その場合は、“ストレスがある時に歯をいじったことによって、脳が勝手に感知しだしているのです”という微妙なニュアンスの原因説明をさせていただいて、病状を認識していただくことに努めます。そのうえで、心療内科併設の公的医療機関へ紹介しますが、なかなか完治することはないようで、その後も、ストレスが溜まると、歯が痛くなったり、舌が痛くなったりはするようです。
ストレスが胃腸に出る人は多いですが、中には、DNAに刷り込まれているかのように、歯に出る人がいます。

「入れ歯が合わないために不安になったりイライラしたり、痛みが出たりする」
「舌がずっとヒリヒリする、ピリピリする」
「口の中がネバネバする、ベタベタする、ザラザラする」
「義歯や歯のかみ合わせがいつまでも合わない」
「口の中を虫がはっている」
「歯の間から金属のような異物が出てくる」
「歯が痛くて治療したが、痛みがとれない。」
「痛くて歯を抜いてもらったが、痛みが治まらない。」

以上のような症状で、どこの病院に行っても原因が解からない、あるいはいくら歯の処置を繰り返しても一向によくならない場合があります。
このような病態は、従来からいわゆる「歯科心身症」と呼ばれており、欧米では、データにより開きがありますが、歯科の患者さん全体の0,5%〜15%を占めているようです。
日本でも、困っている患者さんが多いにもかかわらず、歯医者に認識すらされていない場合も多く、“神経質だ”“気のせいだ”と一蹴され請合ってもらえないことが多いようです。

病は“認識の程度に病み、認識の程度に治る”ものですから、みなさんにこういう病気もあるということを認識いただくことで、間違っても現状以上には不幸にならないことを願って、今月は、原因も治療法もまだまだ解明されていない“歯科心身症”をあえて採り上げさせていただきました。

今月も難症例たくさんお待ちしております。

では、また来月。

 

 

岸川歯科 院長 岸川 裕

 


 

 

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